豫園:四百年の私家園が南京東路のうしろに
喧騒の中の明代庭園
豫園は黄埔区の老城区北東部にあり、江南の古典庭園としては珍しい「町中の園」。四方が家で、一歩先は人波だ。明嘉靖38年(1559年)に始まり、四百五十年余りを経て、今は内園を含め約1.8ヘクタール。1982年全国重点文物保護単位に定められた。

父のために築いた園
嘉靖の年、潘允端は科挙に及第し、両親を養うために自宅の菜地で造園を始めた。二十余年かかり、1577年頃にほぼ落成。「逸豫無期」、つまり老人が安らかに過ごすという意から名づけた。のちに潘家は衰え、乾隆年間に商人が買い上げ城隍廟に付属させ、公共の休憩所となった。

最初に出る大假山
入って最初に目に入るのは太湖石で組まれた大假山、明代の遺物。山道は一周していて、頂上に立てば青瓦の屋根の起伏が見える。「玉玲珑」という石は全体に穴が空き、下で香をたてると煙がすべての穴から出るという。山、水、楼閣が詰め込まれ、二歩ごとに景色が変わる。

点春堂と内園
点春堂は小刀会の指揮所跡で、当時の堂名が今も残る。得月楼、玉華堂は水際に並び、窓枠ひとつひとつが絵の枠。月洞をくぐると内園へ。一畝ほどの地面に池、水榭、古木いくつかが詰まり、スケールの小ささに自然と足音が潜める。

門を出れば九曲橋
豫園の門は老城区の賑わいに直結する。城隍廟の線香は絶えず、湖心亭の茶楼からは柔らかい呉語が漂う。九曲橋を渡れば、橋の下には錦鯉の群れ、橋の上は人で埋まる。東へは上海老街が続き、梨膏糖や五香豆がカウンターに積まれ、南翔小籠の列は絶えない。

いちばん快適な時間
開館直後に入るのがいちばん、八時半の一時間前なら園内はほぼ無人。週末より平日、月曜休園は覚えておきたい。料金は繁盛期40元、閑散期30元、学生半額。休むなら園内の茶室か湖心亭が很好き。茶一碗で一午後、それが老城区のリズムだ。

豫園の工夫は「詰め込み」だ。全城いちばん騒がしい場所で、一畝ほどの土地に山、水、洞、橋を詰め込み、外が南京東路の車列であることを忘れさせてくれる。見終わって急いで出ないこと。右へ曲がって九曲橋を渡り、園の飛檐を振り返る。その一瞬に、なぜ上海人がこの地を四百年以上も残してきたのかが分かる。
実用情報
- 開館時間:繁盛期8:30-17:00、閑散期8:30-16:30、月曜休園(公式発表を確認)。
- 料金:繁盛期40元、閑散期30元、学生半額。
- 交通:地下鉄10号線豫園駅から徒歩約5分。1号線人民広場で10号線へ乗り換えも可。周辺は道が狭いので公共交通が便利。
- 歩き方:まず大假山、次に点春堂から内園へ、最後に門を出て九曲橋を渡る。一時間半で十分。
- 食事:園外に小籠や麺店が連なる。静かにしたいなら老街の奥へ。