天山天池:博格達峰の下の高地湖
雪峰の麓の一掬(ひとすくい)の青
阜康を抜けて天山へ入り、標高が二千メートル近くまで上がると、窪みに突然湖が現れる。天池は東西に狭く南北に長く、最深は百メートルを超え、雪解け水で満たされて底の石まで数えられる。背後には白い冠をいただく博格達峰が湖に影を落とし、新疆を代表する一景だ。

西王母の瑶池から
古書はここを瑶池と呼び、周穆王が西巡で西王母と宴を張ったと伝える。唐代以降シルクロードの往来が絶えず、モンゴルやウイグルの遊牧民は聖湖として年ごとに祀った。清の乾隆年間、朝廷が湖畔に瑶池廟を建て、この水を国家の祭祀の地に組み込んだ。

数字で見る天池
湖面の標高は1910メートル、水域約4.9平方キロ、最深105メートル。頭上に聳える博格達峰は5445メートル。年均気温は2度前後で典型的な山地気候。1982年に重点風景名勝に、2013年には「新疆天山」の一部として世界遺産に登録された。

雪・森・湖が一つの額縁に
天池の良さは組み合わせにある。頭上は博格達の雪頂、山腹にはトウヒ帯が巡り、岸辺の水は段ごとに青を変える。西岸には湖沿いの遊歩道があり、ゆっくり歩けば半日で三分の一ほど回れる。全景は高い展望台から、湖も峰も一度に収まる。

どう登って行くか
ウルムチから吐烏大高速で阜康へ、そこから天池専用道路で自家用車なら約1時間半。運転を避けるならウルムチ北郊のバスターミナルから観光直行便が7時から18時まで出て、約2時間。遊客センターで区間バスに乗り換え湖畔へ(片道約30分)、足に自信があれば5キロの桟道を歩いても。

山の天気は変わりやすい
湖畔は標高約1900メートル、多くの人は平気だが、3000メートル超の展望台へは歩調を緩めて。山は一日で四季を巡り、夏でも厚手の上着と雨具を。無痕の山林(レーブノートレース)が求められ、ゴミは持ち帰り。冬の氷上も指定区域外は立ち入らず。

天池は「チェックイン」で見る景色ではない。朝の湖に霧が立ち、午後の雲影が水面を滑る。同じ角度でも違う芝居を演じる。半日を取れば、雪と湖の静けさを渡してくれる。
実用情報
- 開放時間:旺季8:00–20:00、淡季9:00–18:00
- 料金:旺季(4/1–10/31)155元、淡季(11/1–翌3/31)105元。区間バス往復60元
- アクセス:ウルムチから自家用車約1.5時間、または北郊バスターミナルの観光便約2時間
- 注意:標高約1900メートル、展望台はゆっくりを。山の天気は変わりやすく上着を